こんにちは、シルバーとっぷの雲居です。
大腿骨骨折は高齢者に多い怪我の一つで、「転んだら骨折して入院、そのまま在宅介護が始まった」というご家族からご相談をいただくことが少なくありません。わたし自身も大切な人が同じ経験をする可能性を身近に感じながら、この仕事をしています。本記事では大腿骨骨折後の退院準備に必要な福祉用具と住環境チェックをお伝えします。
大腿骨骨折後の在宅介護の特徴
大腿骨(太ももの骨)の骨折は、高齢者の転倒で最も多い重篤な怪我の一つです。手術後のリハビリを経て退院しますが、退院後も転倒再骨折のリスクが高いため、自宅環境の整備が非常に重要です。
退院直後は歩行能力が回復途上の場合が多く、福祉用具の適切な使用と自宅環境の改善が、安全な在宅生活の鍵になります。主治医やリハビリ担当者から「退院後の生活上の注意点」を必ず確認してください。
優先して揃えるべき福祉用具リスト
①手すり(最優先)
ベッドそば・廊下・トイレ・玄関・階段に設置します。骨折後はどんな場所での転倒も再骨折のリスクがあります。工事不要の据え置き型と、住宅改修による固定型があります。
②歩行器・歩行補助つえ
退院直後は歩行の安定がまだ不十分な場合があります。理学療法士の指示に合わせた歩行補助用具を用意しましょう。介護保険の対象品目です(要支援1以上)。
③特殊寝台(介護ベッド)と付属品
寝起きの補助に重要です。電動で背もたれを調整できる介護ベッドは、立ち上がりの際の骨折リスクを減らします。介護保険のレンタル対象です(要介護2以上)。
④スロープ
玄関や敷居の段差は転倒の原因になります。歩行器を使う場合はスロープで段差を解消することが大切です。
⑤車椅子
外出時や長距離移動に必要な場合があります。退院直後から必要かどうかはご本人の状態によります。
⑥床ずれ防止用具(必要な場合)
臥床(寝ている)時間が長い場合は床ずれ防止のためのマットレスが必要になることがあります。
(出典:公益財団法人テクノエイド協会「福祉用具の品目一覧」 https://www.techno-aids.or.jp/)
住環境の確認ポイント
大腿骨骨折後の転倒再発を防ぐために、以下の点を事前に確認しましょう。
- 廊下:滑りやすい床・電気コードなど足元の障害物がないか
- トイレ:立ち座りをサポートする手すりがあるか
- 浴室:浴槽への出入りに手すりが必要か(退院直後は入浴制限があることも)
- 玄関:段差にスロープが必要か
- 夜間の動線:暗い中でトイレへ行く際の安全確保(足元照明など)
- ラグ・カーペット類:ひっかかって転倒するリスクがあるものは取り除く
住宅改修費(介護保険・生涯20万円)も活用できます。詳しくは介護リフォームに補助金はいくら出ますか?をご参照ください。
(出典:厚生労働省「介護保険における住宅改修」 https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/hukushi_kaigo/kaigo_koureisha/jutaku_kaisyu/index.html)
よくあるご質問
Q. 大腿骨骨折後はどのくらいで歩けるようになりますか?
A. 回復の程度は手術方法・年齢・骨粗しょう症の有無などによって異なります。リハビリの進捗については主治医・理学療法士にご確認ください。
Q. 歩行器と杖はどちらがいいですか?
A. 歩行能力の状態によって適切なものが異なります。理学療法士や福祉用具専門相談員がご本人に合ったものを提案しますので、ぜひご相談ください。
Q. 骨折後に一人暮らしに戻れますか?
A. 状態や環境によって異なります。主治医・ケアマネ・地域包括支援センターに相談しながら判断しましょう。
まとめ
大腿骨骨折後の退院準備では、転倒再発防止の観点から手すり・歩行補助用具・介護ベッドを優先して準備し、自宅の危険箇所をチェックすることが大切です。「どんな用具が必要か」はご本人の状態によって異なりますので、退院前にケアマネージャーや福祉用具専門相談員と相談しながら進めてください。シルバーとっぷでも、退院前からのご相談・訪問提案を行っています。
参考にした情報
- 公益財団法人テクノエイド協会「福祉用具の品目一覧」 https://www.techno-aids.or.jp/ (2026年6月時点)
- 厚生労働省「介護保険における住宅改修」 https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/hukushi_kaigo/kaigo_koureisha/jutaku_kaisyu/index.html (2026年6月時点)
- 厚生労働省「介護保険制度の概要」 https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000213177.html (2026年6月時点)
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※本記事の情報は2026年時点のものです。最新の制度内容は厚生労働省または各自治体にご確認ください。
雲居 愛(くもい あい)/ 株式会社シルバーとっぷ 在宅営業部 福祉用具専門相談員。千葉県生まれ。千葉県内の大学で社会福祉を学び、2024年シルバーとっぷ入社。現在は千葉市を中心にご家族のもとへ訪問し、福祉用具の選定やご相談を担当。趣味は読書と犬の散歩。
