要介護認定の更新、簡素な審査の対象拡大へ|ご家族が今から準備したいこと

こんにちは、シルバーとっぷの雲居です。千葉もようやく秋らしくなってきましたね。朝晩は冷えるようになり、訪問先でも「そろそろ暖房を出そうかしら」というお話をよく聞くようになりました。

今回は、介護保険の「要介護認定の更新」に関するニュースを取り上げます。親の介護が始まったばかりのご家族にとって、最初の更新は分からないことが多く、不安になりやすい場面です。ニュースの内容を確認しながら、更新の時期にご家族ができる準備をまとめました。

ニュースの概要|簡素な審査の対象を広げる検討

日本経済新聞の報道(2026年10月21日)によると、厚生労働省は要介護認定の更新手続きを早く進めるため、見直しを検討しているそうです。記事に書かれているポイントは次のとおりです。

  • 現在、簡素な審査の対象になるのは、認定の有効期間が12か月以上の人に限られている
  • これを、有効期間が6か月以上の人まで広げる方向で検討している
  • 対象は、要介護度が変わらない高齢者
  • 主に初めての更新手続きに影響する見通し
  • 10月26日の社会保障審議会・介護保険部会で示される予定

あくまで「検討中」の段階なので、実際にいつから、どのような形で始まるかはまだ決まっていません。今後の議論によって内容が変わることもあります。お住まいの市区町村での具体的な運用については、今後の自治体からのお知らせや窓口でご確認ください。

そもそも「要介護認定の更新」とは?

介護保険のサービスを使うには、市区町村から「要支援」や「要介護」の認定を受ける必要があります。この認定には有効期間があり、期間が終わる前に「更新申請」をして、改めて状態を確認してもらう仕組みになっています。

更新のときも、初めての申請と同じように、認定調査員さんによる聞き取り調査や、主治医の意見書をもとに、専門職が集まる審査会で要介護度が判定されるのが基本の流れです。

一般的には、初めて認定を受けたときの有効期間は短めに設定されることが多く、その後の更新で状態が安定していると判断されると、有効期間が長くなる場合があります。今回のニュースで「主に初めての更新に影響する」とされているのは、こうした背景があるのかもしれません。期間の決まり方は個別に異なりますので、ご自身のケースは介護保険被保険者証や認定結果の通知でご確認ください。

制度の言葉が続いて、少し難しく感じたかもしれませんね。わたしも入社したばかりのころは、「新規」「更新」「区分変更」の違いがなかなか頭に入らず、混乱しました。ひとつずつ整理していけば大丈夫です。

ご家族にとって、どんな意味があるの?

報道では、手続きを「迅速に」することが目的とされています。現場でよくいただくご質問なのですが、「更新の結果が出るまで、今のサービスはどうなるの?」と心配されるご家族はとても多いです。

更新の審査に時間がかかると、結果が出るのを待つあいだ、ご家族は落ち着かない気持ちで過ごすことになります。今回の見直しが実現すれば、状態が変わっていない方の更新については、手続きがスムーズになることが期待されます。

一方で、ひとつ大切なことがあります。それは、「状態が変わっていないかどうか」を正しく伝えることです。もし実際には体の状態や生活の様子が変わっているのに、それがうまく伝わらないと、今の暮らしに合った認定にならない可能性もあります。簡素な審査の仕組みがどうなるとしても、ご家族が日ごろの様子を把握しておくことは、これまで以上に大切になりそうです。

更新の時期にご家族が準備しておきたいこと

1. 有効期間の終わりの日を確認しておく

まずは、介護保険被保険者証に書かれている「認定の有効期間」を確認しましょう。更新申請は、目安として有効期間が終わるおよそ60日前から受け付けている自治体が多いです。千葉市をはじめ、多くの市区町村では期間が近づくと案内が届きますが、カレンダーやスマートフォンに予定を入れておくと安心です。

2. 日ごろの様子をメモしておく

認定調査では、ふだんの生活の様子を聞かれます。ご本人は調査員さんの前だと「できます」と頑張ってしまうことも少なくありません。次のようなことを、気づいたときにメモしておくと役立ちます。

  • 転びそうになった、実際に転んだ日と場面
  • トイレや入浴で手助けが必要になった場面
  • 夜中に起きる回数や、物忘れが気になった出来事
  • 福祉用具を使うようになって、できるようになったこと

3. ケアマネさんと早めに相談する

更新の時期が近づいたら、担当のケアマネージャーさんに「今回の更新で気をつけることはありますか?」と声をかけてみてください。ケアマネさんは、これまでの経過を一番よく知っている存在です。調査の日程調整や、調査に同席するかどうかについても相談できます。

4. 主治医の受診も意識しておく

更新では主治医の意見書も使われます。最近の体調の変化や気になる症状は、ふだんの受診のときに主治医に伝えておくと安心です。体の状態についての判断は、必ず主治医にご相談ください。

福祉用具の現場から見た「更新」のこと

わたしが担当させていただいたお客様の中には、更新の結果で要介護度が変わり、それまで借りていた福祉用具の見直しが必要になったご家族もいらっしゃいました。そのご家族は、結果の通知を見てとても驚かれていたのですが、ケアマネさんと一緒に早めに相談してくださったので、暮らしに大きな支障が出ることなく、使い慣れた用具を続けられる形を考えることができました。

要介護度によって、介護保険で借りられる福祉用具の種類が変わる場合があります。更新の結果が出たら、福祉用具専門相談員にもぜひ一声かけてください。先輩から教わったのですが、「結果が出てから慌てるより、結果が出る前に『もし変わったらどうするか』を一緒に考えておくと、ご家族の気持ちがずいぶん楽になる」そうです。わたしも訪問のたびに、そのことを実感しています。

また、更新のときは、今使っている用具が体に合っているかを見直すよい機会でもあります。「ベッドの高さが合わなくなってきた」「歩行器が重く感じる」など、小さな違和感でもかまいません。ご相談いただければ、ケアマネさんとも連携しながら一緒に考えていきます。

まとめ|制度の動きを知り、ふだんの様子を伝える準備を

  • 厚労省が、要介護認定の更新で簡素な審査の対象を広げる検討をしていると報じられた
  • 有効期間12か月以上から6か月以上へ広げる方向で、要介護度が変わらない方が対象とされる
  • まだ検討段階のため、詳しくは今後の自治体のお知らせや窓口で確認を
  • ご家族は、有効期間の確認・日ごろの様子のメモ・ケアマネさんとの相談を早めに

制度の細かい運用や解釈については、お住まいの市区町村の介護保険窓口や地域包括支援センター、専門家にご確認ください。千葉市にお住まいの方は、各区の地域包括支援センターでも相談を受け付けています。

ご家族の暮らしが少しでも穏やかになるよう、わたしたちは千葉県で38年お手伝いしてきました。ご不安なことがあれば、いつでもご相談ください。

参考:日本経済新聞

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