認知症介護で役立つ福祉用具と環境づくり

こんにちは、シルバーとっぷの雲居 愛です!

「夜中に何度も起きてしまう」「外に出ようとして危ない」——認知症のご家族を介護されている方から、このような悩みをよくお聞きします。認知症介護は身体介護だけでなく、見守りや安全管理の負担が大きいのが特徴です。

でも、適切な福祉用具や環境の工夫によって、ご本人が安心して暮らせる空間をつくりながら、介護者の負担も軽減できることがあります。

この記事では、認知症の方の特性に合わせた福祉用具の選び方と、家づくりの視点、そして介護者自身のケアについてお伝えします。

認知症介護の特徴と福祉用具の役割

認知症は記憶・判断力・見当識などの認知機能が低下し、日常生活に支障をきたす状態です。身体的な機能はある程度保たれていても、「なぜ危険なのかわからない」「昼夜の区別がつきにくい」といった認知の変化が特有のリスクを生みます。

こうした特性から、認知症介護における福祉用具の役割は次の2点に集約されます。

  • 安全の確保:転倒・転落・迷子(徘徊による行方不明)のリスクを下げる
  • 見守りの補助:介護者が常にそばにいなくても、センサー等で変化に気づける環境をつくる

(出典:厚生労働省「高齢者の介護」 https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/hukushi_kaigo/kaigo_koureisha/index.html

認知症の方向けの主な福祉用具

徘徊感知器(認知症老人徘徊感知機器)

玄関や窓などにセンサーを取り付け、ご本人が特定の場所を通過したときに介護者へ音や通知でお知らせする機器です。介護保険のレンタル対象品目で、要介護2以上かつ認知症がある方が対象の目安です。

夜間照明(センサーライト)

夜間の移動時に自動で点灯するセンサーライトは、暗闇での転倒防止に役立ちます。認知症の方は夜間に目覚めて動き出すことがあるため、トイレへの廊下などに設置することがよくあります。介護保険のレンタル対象ではありませんが、比較的安価に入手できます。

離床センサー・マットセンサー

ベッドから立ち上がろうとした際に感知して音で知らせるセンサーです。夜間の急な動き出しを察知して転倒を防ぐことができます。

手すり・歩行補助用具

認知症の方は転倒リスクが高いため、歩行が不安定な場合は手すりや歩行器が有効です。廊下・トイレ・浴室など移動が多い場所への設置を検討します。

ベッド(特殊寝台)と転落防止用品

電動介護ベッドは高さを調節できるため、万が一転落したときのダメージを軽減できます。サイドレールの取り付けも有効ですが、かえって転落や挟み込みのリスクになる場合もあるため、状態に合わせた設置が必要です。

用具 目的 介護保険区分(目安)
徘徊感知器 外出・徘徊の感知 レンタル(要介護2以上が原則)
手すり(置き型) 歩行・転倒予防 レンタル(要支援1以上)
歩行器 歩行補助 レンタル(要支援1以上)
特殊寝台 起き上がり補助・転落予防 レンタル(要介護2以上が原則)
センサーライト 夜間の転倒防止 自費購入

転倒予防・安全のための環境整備

福祉用具と合わせて、住環境の整備も大切です。認知症の方の生活動線を見直し、危険な場所をできるだけ減らす工夫が求められます。

段差の解消

室内の段差はつまずきの原因になります。スロープや敷物の固定などで段差を解消します。

ドアノブ・鍵の工夫

深夜の無断外出を防ぐため、ドアに補助錠を取り付けたり、玄関に徘徊感知器を設置する方法があります。鍵のかけ方を変えるだけで外出を防げるケースもあります。

危険物の管理

包丁・薬・洗剤などは施錠できる引き出しや棚に収納します。コンロの誤操作を防ぐため、ガス機器には安全装置の導入も有効です。

視覚的なサイン

認知症の方には、文字より絵や写真でわかる案内表示が有効なことがあります。トイレのドアに絵を貼るといった工夫で、自分でトイレに行けるようになった方もいらっしゃいます。

担当させていただいたご家族から、「廊下の手すりを付けたら、夜中に迷わずトイレに行けるようになった」という話をお聞きしたことがあります。シンプルな工夫が大きな変化につながることを実感しています。

ご本人の尊厳を守る視点

安全確保は大切ですが、すべての行動を制限することは、ご本人の尊厳や生活の質(QOL)を損なうことにもなります。

  • 「できることは自分でしてもらう」という視点を大切にする
  • 外出への欲求がある場合は、安全に出かけられる方法(見守り散歩など)を検討する
  • 馴染みのある環境(家具の配置や生活パターン)をなるべく変えない

用具の選定においても、「この人らしい暮らし」を軸に考えることがわたしたちの大切にしていることです。

家族の負担軽減とレスパイトケア

認知症介護は身体的・精神的な負担が大きく、介護者自身が疲弊してしまうことも少なくありません。無理なく介護を続けるために、レスパイトケア(介護者が一時的に介護から離れて休める機会)の活用をお勧めします。

  • デイサービス・デイケア:日中の預かりで介護者が休息できる
  • ショートステイ(短期入所):数日〜数週間の施設利用
  • 訪問介護・訪問介護(夜間):夜間の見守り負担を軽減

(出典:厚生労働省「介護保険制度の概要」 https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000213177.html

「用具だけでなく、使えるサービスを組み合わせることで、介護が長続きする体制がつくれます」とケアマネージャーの方がおっしゃっていたことが印象に残っています。福祉用具の相談と合わせて、サービス全体の活用もぜひ検討してみてください。

よくあるご質問

Q
徘徊感知器は要介護1でも使えますか?
A
原則として要介護2以上で認知症がある方が対象ですが、状態によっては例外給付が認められる場合があります。ケアマネージャーにご相談ください。
Q
夜中に何度も起き出す場合、何が有効ですか?
A
離床センサーやセンサーライトが役立つことが多いです。また、日中の活動量を増やすデイサービスの活用が夜間の睡眠改善につながることもあります。
Q
認知症の方が手すりを使いたがらない場合はどうすればよいですか?
A
本人が自然に使いやすい位置・高さに設置することが大切です。違和感なく生活に溶け込む工夫として、色や素材を選ぶこともあります。
Q
介護施設への入居を検討していますが、在宅でもできることはありますか?
A
福祉用具と訪問介護・デイサービスなどを組み合わせることで、在宅生活を継続できるケースは少なくありません。ケアマネージャーに現在の状況を相談してみてください。
Q
家族が疲れてしまっているのですが、どこに相談すればいいですか?
A
担当のケアマネージャー、または地域包括支援センターへご相談ください。レスパイトケアのサービスにつないでもらえます。

参考にした情報

まとめ

  • 徘徊感知器は認知症の方の外出リスクを低減する代表的な用具(要介護2以上が原則)
  • センサーライト・離床センサーで夜間の見守り負担を軽減できる
  • 段差解消・危険物管理・視覚的なサインなど環境の工夫も重要
  • 安全確保と同時にご本人の尊厳・できることを大切にする視点を忘れない
  • 介護者の疲弊を防ぐため、レスパイトケア(デイサービス・ショートステイ等)を積極的に活用する

千葉県で認知症介護の福祉用具選びにお困りなら、株式会社シルバーとっぷへ。ご自宅の状況に合わせた用具選定・環境整備をお手伝いします。
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※本記事の情報は2026年時点のものです。認知症の状態は個人差が大きく、用具の選定は担当の医師・ケアマネージャー・福祉用具専門相談員にご相談ください。

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