老老介護で揃えたい福祉用具|介護者の負担を減らす視点

こんにちは、シルバーとっぷの雲居 愛です!

「70代の妻が80代の夫を介護している」「夫婦2人で、お互いに介護し合っている」——高齢者が高齢者を介護する「老老介護」は、今や珍しいことではありません。

老老介護では、介護される方だけでなく、介護する方の体力・健康状態も心配です。「もっと楽に介護できる方法はないか」「倒れてしまう前に何とかしたい」という思いを抱える方に、この記事を届けたいと思います。

この記事では、老老介護において介護者の身体的負担を軽減するための福祉用具と環境づくり、そして利用できるサービス・支援体制についてお伝えします。

老老介護の現状と介護者の負担

厚生労働省の調査によると、在宅介護を行う世帯の半数以上が「老老介護」の状態にあるとされています。高齢社会の進展とともに、その割合は増加傾向にあります。

(出典:厚生労働省「高齢者の介護」 https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/hukushi_kaigo/kaigo_koureisha/index.html

老老介護において特に問題となりやすい点は次のとおりです。

  • 介護者自身の体力・筋力の低下で、体を動かすケアが難しくなる
  • 腰痛・膝痛など、介護による身体的負担が蓄積する
  • 精神的な疲れや孤立感から、介護者がうつ状態になることがある
  • 介護者が倒れると、在宅での介護継続が困難になる

「介護者が元気でいること」が、在宅介護を長く続けるうえで最も大切な条件のひとつです。

介護者の負担を減らす福祉用具

老老介護で特に役立つ、介護者の負担軽減を目的とした用具を紹介します。

用具 介護者への主なメリット 介護保険区分(目安)
特殊寝台(電動ベッド) ベッドの高さを調整して腰への負担を軽減 レンタル(要介護2以上が原則)
移動用リフト 体を持ち上げる介助が不要になる レンタル(要支援1以上)
スライディングシート ベッド上での移動介助の摩擦を大幅軽減 自費または在宅介護用品
スライディングボード 移乗介助の際に体を持ち上げなくてすむ 特定福祉用具購入
体位変換器 寝返り介助の負担を軽減 レンタル(要介護2以上が原則)
床ずれ防止用具(エアマット) 体位変換の回数を減らせる可能性がある レンタル(要介護2以上が原則)
歩行器・手すり 介助なしで本人が移動できる場面が増える レンタル(要支援1以上)

電動ベッドの活用

介護用電動ベッド(特殊寝台)は、老老介護において特に効果的な用具のひとつです。

高さ調整機能

介護者の体格に合わせてベッドの高さを上げることで、中腰の姿勢を避けられます。腰への負担を大きく軽減できます。

背上げ機能

ご本人が自分でボタン操作して起き上がれるため、介護者が起こしに行く回数を減らせます。

訪問先で、「ベッドを導入する前は腰が痛くて大変だったが、高さを上げてから楽になった」とおっしゃっていた方がいました。用具ひとつで介護者の体への負担がこれほど変わるのかと改めて感じた出来事でした。

移動用リフトの活用

移動用リフトは、体を持ち上げる移乗介助が体力的に難しくなってきたタイミングで導入を検討するとよい用具です。

  • 床走行式リフト:キャスターで移動するタイプ。比較的スペースが必要ですが設置工事が不要です
  • 天井走行式リフト:天井にレールを設置するタイプ。スペースを取らず日常的に使いやすいですが工事が必要です

スリング(つり具)はリフト本体と別に購入します(特定福祉用具購入対象)。リフトの操作に不安がある場合は、導入時に専門相談員が使い方を丁寧にご説明します。

(出典:厚生労働省「介護保険制度の概要」 https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000213177.html

レスパイトケアの重要性

「レスパイト(respite)」とは休息・息抜きを意味し、レスパイトケアとは介護者が一時的に介護から離れて休める機会を指します。

老老介護において、介護者の休息は贅沢ではなく、介護を持続するために必要なことです。利用できるサービスは次のとおりです。

  • デイサービス・デイケア:日中の数時間〜1日、施設で過ごしてもらう
  • ショートステイ(短期入所):数日〜数週間、施設に泊まってもらう
  • 訪問介護・夜間対応型訪問介護:訪問ヘルパーに来てもらい、一部のケアを担ってもらう

「施設に預けることへの罪悪感」を口にされる方も多いですが、介護者が元気でいることがご本人にとっても一番よい介護につながります。

地域包括支援センターの活用

地域包括支援センターは、高齢者と介護に関する総合相談窓口です。市区町村に設置されており、次のような相談に無料で対応してくれます。

  • 介護保険の申請方法・サービスの探し方
  • 「介護が大変でどうすればいいか」という漠然とした悩み
  • 介護者自身の健康・精神的な悩み
  • 近くの訪問介護・デイサービスの情報
  • 虐待・困難な介護状況への支援

ケアマネージャーが決まっていない段階でも、まず地域包括支援センターへ相談するとよいでしょう。

周囲のサポート体制づくり

老老介護では、介護者と被介護者の2人だけで抱え込まないことが大切です。

  • 子ども・親族:遠方であっても、週に1度の電話や月1回の訪問で状況を確認する体制をつくる
  • 近隣・友人:「何かあれば声をかけて」という関係を日頃から大切にする
  • かかりつけ医:介護者自身の健康管理も定期的に受ける
  • 地域の介護者支援グループ:同じ立場の方と情報交換・気持ちを共有する

「介護はチームでするもの」という視点を、わたしたち福祉用具の相談員もいつも大切にしています。ひとりで悩まずに、まず誰かに話してみてください。

よくあるご質問

Q
電動ベッドのレンタルは要介護2以上でないと難しいとのことですが、要介護1の場合はどうなりますか?
A
医師の意見書等をもとに「例外給付」として利用が認められるケースがあります。ケアマネージャーにご相談ください。
Q
移動用リフトは狭い家でも使えますか?
A
床走行式は室内に一定のスペースが必要ですが、自宅の間取りを確認したうえで最適なタイプをご提案します。まず相談してみてください。
Q
デイサービスを利用することに本人が反対しています。どうすればよいですか?
A
最初は試しに1回体験してもらうことで、気持ちが変わる方も多いです。ケアマネージャーや担当者会議の場で、本人の意向を踏まえた調整をすることもあります。
Q
介護者の腰痛がひどいのですが、改善できますか?
A
電動ベッドの高さ調整・スライディングシートの活用・移動用リフトの導入などで、腰への負担を大幅に軽減できることが多いです。一度ご自宅を拝見させてください。
Q
地域包括支援センターはどうすれば見つかりますか?
A
お住まいの市区町村の公式ウェブサイトか、市区町村の窓口でご確認ください。「○○市 地域包括支援センター」で検索すると見つかることが多いです。

参考にした情報

まとめ

  • 老老介護では「介護者の体を守る」視点で用具を選ぶことが最重要
  • 電動ベッドの高さ調整で中腰介護による腰痛を軽減できる
  • 移動用リフト・スライディングシートで体を持ち上げる介助の負担を減らす
  • レスパイトケア(デイサービス・ショートステイ等)で介護者の休息時間をつくる
  • 地域包括支援センターは総合相談窓口として気軽に活用できる
  • 介護はひとりで抱え込まず、チームで支える体制づくり

千葉県で老老介護の不安をお持ちなら、株式会社シルバーとっぷへ。介護される方だけでなく、介護される方にも寄り添ったご提案をします。
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※本記事の情報は2026年時点のものです。制度や用具の詳細は個人・地域によって異なります。担当のケアマネージャー・福祉用具専門相談員にご相談ください。

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